セミナー: CPS セミナー
日時: 2017 年 9月 6 日(水)17:00-
場所: 神戸大学六甲キャンパス自然科学総合研究棟 3 号館 6 階 620室 (セミナー室)
講演者: 大橋 永芳 (惑星学専攻・連携大学院 客員教授/自然科学研究機構・国立天文台・ハワイ観測所 教授)
タイトル: 原始星の質量を測る
要旨: 星形成過程の研究にとって、原始星の質量は最も重要なパラメータの一つである。ところが、原始星は母体となる高密度コアに深く埋もれているため、可視光で観測可能な星の質量測定にしばしば用いられるH-R図を使った質量の推定ができない。一方、原始星の周囲にはケプラー回転する円盤が存在すると考えられており、ケプラー回転から原始星のダイナミカル質量を求めることが可能である。原始星周囲にケプラー円盤を明確に同定することは困難であったが、近年の高分解能・高感度観測により、可能となってきた。講演では、原始星周囲にケプラー円盤を同定できるようになった近年の高分解能・高感度観測に加えて、それ以前のケプラー円盤の検出が困難だった時代の観測も概観する。その上で、原始星の質量を測定することにより見えてきた、星形成過程の新たな一面について解説する。
キーワード: 星形成、原始星の質量、ケプラー円盤
世話人: 大槻 圭史