日時: 2008 年 7月 29日(水) 15:00-16:30
場所:

神戸大学 自然科学総合研究棟 3 号館 508 号室,
(テレビ会議システムで北大(理学8号館),九大,宇宙研に中継予定)

講演者: 山本 博基 (京都大学) 
タイトル: 定常自転軸対称な大気大循環のパラメータ依存性:
ハドレー循環とスーパーローテーション
abstract: 太陽系の惑星の中で、金星は質量・惑星半径が地球と同程度だが、自転が地球の240倍ほど遅いという特徴を持っている。地球のハドレー循環のメカニズムは Held & Hou (1980) で自転軸対称なモデルで説明され、以後 Held & Hou モデルとして広く認識されいる。一方、金星のスーパーローテーションのメカニズム として、 Gierasch (1975) で子午面循環と強い水平拡散によって維持されていると提唱されており、Matsuda (1980, 1982) ではこの Gierasch メカニズムをブシネスク流体で研究している。この Held & Hou モデルと Matsuda の研究とは、球面、自転軸対称、赤道対称、定常、ブシネスク流体、ニュートン加熱冷却による流れの駆動、という多くの共通点を持つ。一方、両者の違いは Held & Hou モデルでは水平拡散がゼロなのに対して、 Matsuda の研究では非常に大きな水平拡散を仮定しているところにある。これらの点に着目し、外部熱ロスビー数・水平エクマン数・鉛直エクマン数の3つの無次元外部パラメータによるパラメータスイープ実験を行った。得られた数値解の解析には、スーパーローテーションおよび剛体回転に対する指標を用いた。これらの結果を紹介し、議論する。